両親がディスにーランドに行ってくると朝私と妹に告げた。
私と妹はゴクリと唾をのんだ。両親は50代半ばだ。複雑な気持ちで送り出した。
夜、ぐったりして帰ってきた両親。母はすぐ風呂に入ってしまった。
さすがに疲れたのだろうと思っていたが、父曰く、事件があったらしい。
事件の内容は、想像を絶するものだった。
躊躇する母を半ば強引に父がスプラッシュマウンテンに誘った。
母は折れ、両親は最前列に陣取り、スプラッシュマウンテンの乗車カートはおもむろに動き出した。
途中から母の様子がおかしくなった。父は心配になった。そして母の顔色はどんどん青ざめていく。酔ったのだ。
とうとう耐え切れなくなった母は、乗り物が急降下した直後、ついに吐いてしまった。
ゲロをスプラッシュしてしまったのだ。
そして、あろうことか父は尋常じゃない反射神経で、間一髪、両手で当該ゲロをキャッチしたのだった。
父の奇跡的ナイスキャッチによりスプラッシュマウンテンの乗車用カートはゲロまみれになる危機を免れた。
後ろの乗客たちは堪ったものではなかったであろうが。
こうして、この事件は我が家の歴史に刻まれた。
2010年8月吉日 ゲロ・キャッチonスプラッシュマウンテン事件
しかしながら、夫婦の絆とは凄いものである。
母が限界を超えそうになったとき、父の脳裏に心の声が届いたに違いない。
「Catch me if you can (キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)」と。
スティーヴン=スピルバーグも驚きの夫婦愛に感服である。

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